美容師の独立

フリーランスに転向したい美容師向け!必要な手続きを徹底解説

フリーランス美容師になろうと思っている方の中に、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。初めてのことで、様々な手続きについて不安ですよね。

本記事では、フリーランスに転向したい美容師向けに必要な手続きを、書類の書き方なども含めて現役美容師が詳しく解説していきます。

この記事を読むことによって、必要な手続きの一連の流れが理解でき、実際にフリーランスになった際に焦ることなくスムーズに行えますよ。

フリーランス美容師になったら必要な手続き

フリーランス美容師になり、個人事業主として活動していくために必要な手続きが4つあります。

必要な手続き

  • 国民健康保険に加入する
  • 厚生年金から国民年金に切り替える
  • 個人事業主として開業届を出す
  • 青色申告承認申請書を提出する

では、それぞれ詳しく解説していきます。

国民健康保険に加入する

会社に雇用されていた時は、会社の健康保険に加入していたと思いますが、フリーランスになると健康保険を脱退して国民健康保険に加入する必要があります。

国民健康保険に加入をしなければ、病院に行った際の支払い額が高額になってしまうので、忘れず早めにしておきたい大事な手続きです。

変更の手続きは、退職後14日以内に行わなければなりません。

  • 健康保険資格喪失証明書
    退職した勤務先で発行してもらえます
  • 本人確認ができる物
    マイナンバーカード・パスポート・運転免許証
  • キャッシュカードまたは通帳と通帳使用印

以上、3つの必要書類を持って自身が住んでいる地域の市役所の窓口で手続きを行います。

もし、必要書類が14日以内に揃わない場合は市役所に問い合わせて相談をしましょう。なぜなら、14日以内に届け出ができなかった場合、国民健康保険に加入しなければならない日まで遡って保険料を支払わなければならないからです。

国民年金に切り替える

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満で厚生年金保険に加入していない方は、将来、年金を貰うために国民年金に加入して毎月保険料を納める必要があります。

厚生年金から国民年金に切り替える手続きの方法としては、

  1. 退職日の翌日から14日以内に自身が住んでいる地域の市役所に届け出る
  2. 【1. 国民健康保険に加入する】際に、年金手帳または基礎年金番号通知書を持参しまとめて手続きを行う

効率よく手続きを行える「2」をおすすめします。

また、フリーランスに切り替わったタイミングで収入がまだ少なく年金を納める余裕がない場合は、収入額などの条件が合えば「免除」や「納付猶予」の選択肢もあるので、年金窓口で手続きを行いましょう。

開業届を出す

フリーランスになると、誰にも雇われずに個人で仕事を請け負って仕事をしていきます。よって、「個人事業主」として、税務署に開業届を提出する必要があります。

では、開業届の書き方から提出方法まで詳しく紹介していきます。

開業届に必要な書類を税務署に取りに行く、または国税庁のホームページから用紙をダウンロードしましょう。

開業届の書き方

書き方

  1. 提出先
    最寄りの税務署名を記入します。
  2. 提出日
    提出する日にちを記入します。
  3. 納税地
    フリーランス美容師の場合は、住民票に記載されている住所地を記入しましょう。
  4. 氏名、生年月日
    自身の氏名と生年月日を記入します。
  5. 個人番号
    マイナンバーカードや通知カードに記載されている、個人番号を記入します。
  6. 職業
    職業は、美容師と記入します。
  7. 屋号
    事業の名前を記入しますが、後からでも変更できるので空欄でも良いです。
  8. 届出の区分
    「開業」の箇所にチェックを付けて、住所と氏名を記入します。
  9. 所得の種類
    「事業所得」の箇所にチェックを付けます。
  10. 開業・廃業日
    フリーランス美容師の場合は、お店を持たないので自身が「開業」と決めた日が開業日となります。そのため、自身が決めた開業日を記入しましょう。
  11. 事業所等を新増設、移転、廃止した場合・廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
    新規開業する場合は、空欄で良いです。
  12. 開業・廃業に伴う届出の提出の有無
    青色申告承認申請書を一緒に提出する場合は、「有」にチェックを付けます。
  13. 事業の概要
    事業内容について詳しく記入します。
  14. 給与等の支払の状況
    従業員を雇用する場合に記入をする欄なので、フリーランス美容師の場合は空欄で良いです。
  15. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
    フリーランス美容師の場合は、空欄で良いです。
  16. 給与支払を開始する年月日
    フリーランス美容師の場合は、空欄で良いです。
  17. 関与税理士
    税理士と契約している場合のみ記入します。

開業届の提出期限は、開業日から一か月以内と決まっているので期限に遅れることの無いようにしましょう。

青色申告承認申請書を提出

フリーランスになると、今まで会社が行っていた確定申告を毎年2月中旬から3月中旬にかけて行う必要があります。

確定申告は2種類あり、フリーランス美容師の場合は「青色申告」がおすすめです。

また、「青色申告」で確定申告を行う場合は、事前に青色申告承認申請書を税務署に提出しておかなくてはならないので、開業届の手続きと同じタイミングで済ませておきましょう。

青色申告書と白色申告書の違い

確定申告は2種類あると解説しましたが、「白色申告」と「青色申告」の違いを詳しく説明していきます。

白色申告書

白色申告書の大きなメリットは、手間が少なく手続きがとてもシンプルな点です。

提出しなければならない書類も少なく、確定申告書・収支決算書・控除書類のみです。また、記帳も簡易簿記で良いとされています。

しかし、事前に申告書を提出する手間などがかからない分、白色申告は特別控除などの特典が受けられないので、基本的には青色申告をしたほうが良いと言えます。

青色申告書

白色申告書よりも、準備すべきことが多かったり事前に申告する必要があったりと少し手間はかかりますが、その分多くのメリットや節税効果があります。

  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 青色事業専従者給与の必要経費として算入できる
  • 赤字を3年間繰り越すことができる
  • 30万円未満の減価償却資産を一括経費にできる

以上のようなメリットがあります。

記帳の作成に手間がかかったり、事前に青色申告承認申請書を提出したりする手間はありますが、確定申告は青色申告で行うことをおすすめします。

青色申告承認申請書の書き方

書き方

  1. 提出先
    最寄りの税務署名を記入します。
  2. 提出日
    用紙を提出する日にちを記入します。
  3. 納税地
    住所地・居所地・事業所地のいずれかに丸を付けます。納税地の住所と電話番号を記入します。
  4. 上記以外の住所地・事業所地等
    上記以外の納税地がある場合は記入しますが、通常は空欄で良いです。
  5. 氏名・生年月日
    自身の氏名と生年月日を記入して、印鑑を押しましょう。
  6. 職業・屋号
    職業は美容師と記入して、屋号は事業の名称を記入しますが後から変更できるので空欄でも良いです。
  7. 青色申告適用の希望年度
    青色申告を適用したい年度を記入します。
  8. 事業所または所得の基因となる資産の名称及びその所在地
    勤務先のサロンの住所を記入します。
  9. 所得の種類
    フリーランス美容師の場合は、事業所に丸を付けます。
  10. 青色申告承認の取消しの有無
    過去に青色申告をしたことがなければ、無しに丸を付けます。
  11. 本年1月16日以降新たに業務を開始した場合の年月日
    本年1月16日以降に開業した場合、その日にちを書きます。
  12. 相続による事業承認の有無
    無しに丸を付けます。事業を引き継いだ場合であれば、その日にちを書きます。
  13. その他参考事項
    複式簿記か簡易簿記のいずれかに丸を付けます。65万控除を受ける場合は、現金出納・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳にチェックを入れます。
  14. 関与税理士
    税理士と契約している場合のみ記入します。

青色申告承認申請書の提出期限は、開業後2ヶ月以内と決まっているので遅れることのないようにしましょう。

確定申告の際に申告する「必要経費」にあたる内容

個人事業主になるので、どこまで経費計上できる費用なのか気になりますよね。経費にできる内容をしっかりと把握しておきましょう。

基本的には、仕事にかかわる物であればすべて経費にあたります。

経費に該当するもの

  • 交通費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 家賃
  • 材料費

などが、主な必要経費にあたります。

制服がない美容師にとって毎日着る服も、仕事をする上で必須となりますよね。トレンドアイテムを取り入れたり着回せられるコーデを意識したりして、常にファッションには気を遣わなければならないので、洋服費用も多く必要となります。

仕事着を私服と兼用しなければ、経費として計上できるので覚えておきましょう。

確定申告の際には、必ず経費で使った費用の”領収書”が必要となりますので、1年間分を無くさずに大切に保管しておく必要があります。

まとめ

本記事では、フリーランスに転向したい美容師向けに必要な手続きを、書類の書き方なども含めて詳しく解説しました。

フリーランスになると個人事業主として活動していくので、1人で手続きなども行う必要があり不安だと思いますが初めの1年で慣れるので心配はいりません。ぜひ、本記事を参考にして手続きをスムーズに行って貰えれば幸いです。

-美容師の独立
-, , , , ,